光の仲間達~Vol.4
福島県いわき市 とうふ屋大楽
大楽 睦さん
福島県いわき市は、地震、津波、原発、風評と多くの被害にあえいでいます。
地元の産業も、いわき湯本温泉をはじめ大変な状況に陥っています。
私といわきはここ数年、様々なご縁をいただいていました。
東京の友人が「いわき芸術文化交流館アリオス」に勤務したり、農商工連携
の研修で、いわきの方々が当館におみえになったり、いわきの地域づくりの
リーダーとめぐりあったり、いろんなご縁が重なりはじめた時にやってきた
今回の大震災でした。
比較的被害の少なかった鳴子温泉郷で宿を営む私は、いわきの皆さんに対し
何かお役に立てないかとと考えました。
そこで思いついたのが、昨年たくさんできた地大豆「くるみ豆」をさしあげ
ることでした。
地域のリーダー的存在である、古滝屋の里見さんに打診したところ、地元で
頑張っている豆腐屋さんがいるので是非大豆をゆずって欲しいとのこと。
その豆腐屋さんが「とうふ屋 大楽」さんでした。
4月中旬、いわき市から奥様と一緒に雨の中をミニバンを運転し、大豆を
とりにみえた大楽さんはいい笑顔をしておられました。
ちょっとの間でしたが、お茶をさしあげ大楽さんからお話しを聞く機会が
ありました。
約10年前に、精神障害者の授産施設の責任者を任じられ、授産事業として
豆腐の製造を起こしたのが出発点だったこと。
その流れもあって、障害者の方々も積極的に雇用している。
今回の大震災で、施設も大きな被害を受け、今は手作業で長時間かけないと
豆腐ができないこと。
従業員は、仕事ができること自体が嬉しいので弱音を吐かずに頑張っている。
風評被害で、首都圏をはじめとした取引がほとんどなくなり、経営が逼迫し
事業を縮小せざるをえなくなったこと。
日本を代表するホテルの元料理長にもその味を認められ、これからという
時だったのにと唇を噛んでいました。
大楽さんは、帰り際、「いただいた豆で作った1番始めの豆腐を送ります」
と帰られました。
まもなく、大楽さんからくるみ豆で作った豆腐が送られて来ました。
それはほんのり甘く、こくがあり、今まで食べたことがないくらい、限りない
愛情にあふれる豆腐でした。
先日、被災地でボランティア活動をするために東京からやってきた若者の
皆さんに、大楽さんのお豆腐を朝食でお出ししたところ、あまりの美味しさに
通販で購入できませんか?と問い合わせがくるほどでした。
大楽さんのとっても美味しい豆腐は地方発送も行っています。
是非皆さんも1度味わってみて下さい。優しさと笑顔が伝わる極上のお豆腐です。
「とうふ屋 大楽」
http://1028dairaku.web.fc2.com/index.html
この震災でいただいた大楽さんとのご縁をこれからも大切にしてゆきたいと
思っております。
今年は、大楽さん用にくるみ豆の作付け面積を増やそうと計画しています。